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「英語を話すモード」を中2の教科書の音読でじっくり育てる。

英語学習
2020.04.20

WA-SABI英語塾 曽根田 章浩(そねだ あきひろ)
1968年生まれ。静岡大学教育学部保健体育科卒。
英語専門講師としての15年以上に及ぶ指導は、私塾でのレッスンのほか、50社超の企業内研修や私立高校・大学での授業、結婚式のバイリンガル司会など多岐に渡る。
海外生活の経験は無し。長年の指導経験によるマンツーマンレッスンで『日本人の英語力UP』に日々取り組み中。

詳しいプロフィール

こんにちは。WA-SABI 英語塾曽根田です。

「英語が話せる。」というのは、とっても曖昧です。

Can you speak English? [あなたは英語を話せますか?]とか、
Do you speak English? [あなたは普段英語を話しますか?]と聞かれたら、どう答えますか?

「簡単な自己紹介くらいは何とかなるけど、ぜんぜん自信はないです。英語を使う機会があまりないので、、。」って英語で何て言えばいいんだろう、、みたいに思う人、かなり多いのではないでしょうか。

英語のスピーキングには、なかなか自信が持てないものです。

「そんなこと気にしないで、とにかく話してみようよ! 楽しまなきゃ!」という精神も大事だとは思いますが、朝から晩まで英語で生活していないのに体当たり精神だけでは英語はなかなか整いません。

「中学校から勉強してきた『易しい英文』が口から飛び出さないこと」に
もっと向き合ってもいいのではないでしょうか。

日本語に訳すことはできる英文でも自分ではサッと使えない。
[瞬間的に英作文ができない。]

それはなぜでしょう?

ボクは、こんな風に考えています。

・日本語と英語は、語順と音声がとても違うから
・使えるレベルになるまでの『慣れる』環境がないから[使う場所がないから]
・使えるレベルになるまで練習していないから

使った回数、練習した回数が足りない。
そうシンプルに考えるのがよいのかな、とも思います。

学校の英語の授業の進みも受験も、回数を積んで英語に慣れることを待ってくれませんよね。
日本語に訳すことができても、言葉の並び替え問題ができても、それらは「自分のことば」として英語を声に出すこととはだいぶ違います。

英語に慣れる場所を探さなくても、高い費用をかけなくても、
確実に「ここまでは英語が話せる。」というレベルまで行ける方法があります。

それが、『音読』です。

「結局、英語は『音読』の練習をするのが一番確実。」

そんなことを聞いたことはありませんか。

WA-SABI 英語塾でも音読を大切にしています。

音読は、英語の「モード」、言い換えれば「型」をつくる作業と言えます。
英語だけで考える「英語脳」の基礎作りでもあります。

特に、受動態も関係代名詞も出てこない、「中学校1、2年生の教科書」を使った音読がスピーキングに慣れるのに有効です。

今回は、中2の教科書に載っている英文を使って話をするための音読練習について書きます。

用意するもの

今回は、「中学校の教科書の英語は大体意味が取れる」という方を対象として書かせていただきます。
(「2年生の英語はまだ難しい、、」という方は1年生の教科書から始めることをお勧めします。)

次のものを用意しましょう。

・中2の教科書(又はそれに代わるもの)
・教科書ガイド
 ※単語と文法が(ほとんど)理解できる方は不要
・教科書対応のCD

教科書

ボクは、ここ数年はNEW HORIZONをレッスンで使っていますが、
Sunshineなど、公立の中学校で使われている他の教科書でも全く構いません。

最近の教科書は、会話が多く、便利な表現などその他の情報も満載です。
この値段でこんなに素晴らしい本があるのは驚きですよ!

サイズは大きめです。
社会人の方が電車の中で開くにはちょっと恥ずかしいかな、とは思います。

教科書ガイド

「英文を読めば意味が(大体)分かる。」という方は不要でしょう。
日本語訳や文法の説明が必要な人は持っておいた方が安心ですね。

教科書対応のCD

これは絶対あった方がいいと思います。
「このレベルの英語なら発音できる。」という方も、移動時間を利用したリスニング練習もできますし、ぜひ購入しましょう。

本来中学生が勉強するための教科書対応の音声ですので、「ゆっくりと、とても丁寧に」録音されています。
「本物の英語はこういう感じではない、、。」と言う方もいるでしょう。
また、本文以外の新出単語や基本文の音声も入っていますので、実際はトラックを飛ばしながら使うことになるでしょう。

それでも、語順通りのイメージの流れを脳に慣れさせていくには、ゆっくりのスピードで練習するのが確実ですし、正しい発音もしっかり確認できます。

小さめのサイズの本にこだわる方にお勧めの一冊

英会話・ぜったい・音読 【続・入門編】

サイズが小さめで、持ち運びやすいです。
社会人の方にも使いやすいように編集されていますので、中学生の教科書の雰囲気に抵抗がある方にもお勧めです。

長年音読を推奨されてこられた同時通訳の神様、國弘正雄先生と、TOEICの権威でもいらっしゃる千田潤一先生の共著の1冊です。
複数の中学1,2年生の教科書から選ばれた12レッスンで構成されています。

國弘先生は、『國弘流 英語の話し方』という本の中で音読の重要性を訴えられていて、僕もかなりの影響を受けています。

練習の手順

以下、参考までに練習の手順を説明します。
ご自分流にアレンジするのもいいでしょう。

【練習に使う1セットの範囲】

Unit ごとがお勧めです。
一つのUnitが、Part 1, 2, 3のように3つのまとまりになっているのが普通です。
その量だと大変だという方は、ひとつのPartごとでもいいでしょう。

【練習手順】

① 英文を読んで意味を考える
② 教科書ガイド、辞書などで英文を理解する
③ CD音声を聴きながら、発音の確認をする
④ 音読練習を繰り返す・・・「『語順通り』に理解できる」、「『英語のイメージだけで理解できる』」を常に意識して行いましょう
⑤ ゴールを設定する・・・セルフチェックテストを行いましょう

① 英文を読んで意味を考える

まずは、初見で「どのくらい理解ができるか?」、黙読で読んでみましょう。
理解度が上がってくると遣り甲斐も増しますね。

② 教科書ガイド、辞書などで英文を理解する

英語をしっかり理解しましょう。

ここをしっかり行うかどうかが、とても大事です。

ご自分で理解するのには限度がありますが、単語の意味はもちろん、文法がよく分かっていない状態で音読を繰り返すと「文全体の雰囲気」で何となく分かった気になりがちです。

「英語は理解できるけど、スピーキングでは使えない。」というスタート地点にしっかり立つことですね。

③ CD音声を聴きながら、発音の確認をする

自己流の発音で練習を続けることのないよう、しっかりと発音を確認しましょう。

一通り音声を流せば、大体の発音がチェックできる方もいますね。
発音にてこずる方、この機会に徹底的に発音をよくしたい方などは、1文ずつ音声を止めて、リピーティング練習をしましょう。

④ 音読練習を繰り返す
・・・「『語順通り』に理解できる」、
「『英語のイメージだけ』で理解できる」を常に意識して行いましょう

さぁ、音読練習ですね。

読みまくればいい。

その通りとも言えますが、「何を、どこまでやるか?」が大事ですよ。

次の二つのポイントを常に頭に置いて練習しましょう。

・「語順通り」に理解できる
・「英語のイメージだけ」で理解できる

「語順通り」に理解できる

当たり前ですが、英語を母国語とする人は、文の先頭から順番にことばを理解しますよね。
英語を日本語に訳すとき、パズルのように訳すと当然ながら前に戻ることになります。

手元の NEW HORIZONを開いたら、 Unit 5-4にこんな英文があります。

If you’re in a wheelchair, or pushing a stroller, you can use the ramp.

wheelchair, stroller, rampなどの単語を使えない方もいるでしょう。
僕もramp[スロープ]という単語はここで知りました(笑)
僕らの学生時代とずいぶん内容が変わっています。

文全体の意味は、

「もしあなたが車椅子に座っていたり、ベビーカーを押していたりするのであれば、そのスロープを使えます。」

これを文を先頭から直訳で意味を取ってみると、次のようにできます。

「 If[もし(~が・・・ならば)] you[あなたが]’re[いる=座っている] in a wheelchair[車椅子の中に], or[又は] pushing(初めの”If you’re”は繰り返さずに)[押している] a stroller[ベビーカーを](ここまでで “If~”のカタマリが終わる→「もし~が…ならば」の大きなカタマリをしっかり感じる), you[あなたは] can use[使うことができます] the ramp[そのスロープを]. 」

1語ずつパズルのように意味を取るのは難しいですが、 “in a wheelchair” 程度のカタマリ以外は、なるべく語順通りのまま意味[イメージ]を感じる方が英語のみでの理解に繋がります。

「英語のイメージだけ」で理解できる

今直訳したものを、日本語だけで書いてみます。

「もし(~が・・・ならば)/あなたが/いる=座っている/車椅子の中に/又は/押している/ベビーカーを(※ここまでで” If ~”のカタマリが終わる→「~が・・・ならば」の大きなカタマリをしっかり感じる)/あなたは/使うことができます/そのスロープを。」

この意味の流れを日本語ではなく、「英語のイメージ」として感じながら練習するということです。

英文の区切ったところに/[スラッシュ]、”If~”の大きなカタマリに<  >の記号を入れると次のようになります。

<(If / you/ ‘re/ in a wheelchair/ , or/ pushing/ a stroller/,> you/ can use/ the ramp/.

これを理解して、最終的にこのように感じて読めないと「自分で話している」感覚にはなかなか近づけません。

これが、できそうで、なかなかできないことです。

慣れるのに、相当の回数が必要です。

⑤ ゴールを設定する
・・・セルフチェックテストを行いましょう

「どこまで音読練習すればいいの?」という話ですね。

僕がお勧めするのはこれです。
次の2つが楽にできれば合格[やり切ったということ]です。

1. Look-Up & Say [1文ずつ、その場で覚え、『話すように』言う]ができる

2. CD音声のシャドーイングを、意味を感じながら行うことができる

その他、「その英文を見て、言葉を入れ替えて文を作り変えることができる。」など、スピーキングに結びつけることをより重視したより高度な合格ポイントもあるでしょう。

ご自分なりのゴール地点を決めて、淡々と取り組みましょう。

音読の回数

「結局、何回読めばいいのか。」

これは、個人差がありますし、目標とするレベルも関係しますので、何回とは言いきれません。

先ほど紹介させていただいた國弘正雄先生は、「私は、中学生の頃500回ずつ教科書を読んだ。皆さんには少なくとも100回は読んでいただきたい。」と、ある本の中でおっしゃっています。

僕がいろいろな方とレッスンをしてきて、まだ中2の教科書の英語で(ある程度も)話せない方には、「平均で100~200回でしょうか。」とお話します。

TOEICのスコアアップのためのレッスンでは、「英語だけで理解するために、最低でも30回ずつは必ず音読しましょう。」と言ったりもします。

反復的な音読は骨の折れる作業ではありますが、確実に、ゆっくりと英語を話す感覚に慣れていくことは間違いありません。

音読練習で注意したいこと

「『語順通り』に理解できるようになる」、「『英語のイメージだけ』で理解できるようになる」というポイント以外で特に大切だと思うことを書きますね。

暗記を目標にしない

丸ごと使える挨拶や相づちなどの表現は別ですが、音読は暗記のための練習ではありません。
自然と覚えてしまうのは大いに結構ですが、1回1回、「話しているつもり」で音読しましょう。

しっかりと声を出しましょう

実際話すときには、英語はお腹に力を入れて話します。
「モゴモゴ読み」のような読み方は癖になりますし、回数を積んでゆくこの練習には不向きです。

小さな声でも、話しているトーンで読みましょう。
1回1回、しっかり声を出すことですね。

回数を記録しましょう

「20回ぐらい読んだ。」、「もう50回は読んだんじゃないかなぁ。」みたいになりがちです。
1回1回、マークを残して、「今何回読んでいるか?」を見えるようにしておきましょう。

50回、100回、などの区切りの際の成果をご自分でも確かめられると、達成感や成長を感じられるものです。

「週末のみ2時間」よりも、「毎日20分」

これもよく言われますね。

習慣化はとても大事です。
いろいろなことが繋がってきて、日々の生活で英語について考える回数も増えるはずです。
継続していると、不意に英語が口から飛び出す瞬間も出てきますよ。

夢中になるのが一番です。
「そう仕向ける」ためのルールづくりと考えてもいいかも知れません。

恥ずかしがらない

最後に、精神論っぽいですが(笑)、

例え小さな声で練習するときでも、恥ずかしがらずにしっかり声を出しましょう。

家族の人などに聴こえてしますかも知れませんが、「あっ、今日も英語の練習始まったね。」ぐらいの状況になったらしめたものです。

しっかり声を出すことで、これまでの英語学習のスタイルを大きく変えるチャンスになるかも知れません。

明るく、(できれば)大きな声で音読練習をしましょう。

まとめ

今回は、中2の教科書を利用した、スピーキングのモードづくりのための音読について書きました。

僕はレッスン時に、「音読するとき常に意識する『2つのポイント』って何でしたっけ?」とよく聞きます。
皆さん、よく忘れます(笑)

「語順通り」に理解する。

「英語のイメージだけ」で理解する。


この2つです。

それが全てだとも言えますが、慣れてくると、
「自分のことば」として、話すように読めるようになってきます。

音読の大切さに気付いている方は沢山いると思いますが、
英語の音読練習が当たり前のように世の中に広まっているとは思えません。

「日本人気質に向いている練習なのになぁ、、。」とも思いつつ、
僕もレッスンの中で試行錯誤していることがたくさんあります。

意識する2つのポイントに集中して、1回1回丁寧に音読しましょう。

「小さな達成感」が継続に繋がりますよ。

ぜひ、頑張ってみてください!!

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