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「最近、単語本を開いてないなぁ。」と思ったあなたへ贈る ~タイプ別 語彙学習 アドバイス~
WA-SABI英語塾 曽根田 章浩(そねだ あきひろ)
1968年生まれ。静岡大学教育学部保健体育科卒。
英語専門講師としての15年以上に及ぶ指導は、私塾でのレッスンのほか、50社超の企業内研修や私立高校・大学での授業、結婚式のバイリンガル司会など多岐に渡る。
海外生活の経験は無し。長年の指導経験によるマンツーマンレッスンで『日本人の英語力UP』に日々取り組み中。
こんにちは、WA-SABI 英語塾、曽根田です。
単語学習ってなかなか長続きしないですよね。
僕自身もオリジナルの単語カードを作ったり、自分に合った単語本を厳選して暗記を始めてみたものの何となくやめてしまったことが何度もあります。
、、と言うよりも、自分ひとりで単語本を1冊覚え切った経験がありません(笑)
単語を覚えることが苦にならない方や語源に興味がある方など、ご自分で単語本を(ある程度でも)制覇する素晴らしい方がいます。
それでも、なかなか思うように単語を覚えられない方が大半ではないでしょうか。
僕は半分以上のレッスンで語彙テストを行っています。
学生時代の一夜漬けのような短期記憶で終わらないよう、「今週の範囲から5問、これまでの全ての範囲から5問で計10問。7点以下は不合格!」を基本としています。
もちろんノルマ制に頼らない方法はありますが、ある一定期間、「覚えるしかない環境」を作ることで語彙力は伸ばせます。
多くの塾生や受講者との語彙テストを通して、語彙学習では特に次のようなポイントが大事だなぁ、と思っています。
・何度も全体を回しながらじっくりと覚えてゆく
・単語本は、「2~3割程度は既に知っているもの」、「手のひらサイズ」、「音声付き」、「易しい例(文)が載っているもの」を選ぶのが妥当
・「単語の意味[イメージ]」を強めるため、いろいろな英文で出会えるよう工夫する[語彙学習のみではもったいない]
例えば、定着するまでにちょっと時間がかかる単語のひとつに recognize[~を認識する、識別する、評価する]という動詞があります。
まずは、「~を認識する」という意味[イメージ]を取り込む際には、こんな例文があるといいでしょう。
Oh, I didn’t recognize you because of that new hairstyle![あっ、その新しい髪型であなただって気づかなかったよ!]
「recognize=認識する」だけではピンと来ませんが、「recognize=それがそれだと分かる[認識する、気づく]」という『イメージ』で覚えることが大切ですね。
また、「facial recognition system : 顔認証」のような表現に出会うと、更に recognize のイメージが定着します。
今回は、僕がこれまでのレッスンで観察してきた(?)方々をタイプ別に分析し、アドバイスという形で書かせていただきます。
皆さんにもお役に立てば光栄です!!
付箋貼りまくりタイプ
付箋を貼ることで、特に「なかなか覚えられない単語」に瞬時に跳べますね。
復習にとても有効です。
独自のカテゴリー分けで色を変えるのもいいでしょう。
単語本に付箋をたくさん貼っている方に注意して欲しいのは、「完璧主義になり過ぎないこと」、「本に書いてある日本語の意味を一字一句そのまま覚えようとしないこと」です。
徹底して覚えようとする姿勢は素晴らしいですが、あまり完璧主義になり過ぎると応用がききません。
人間、忘れるのは当たり前のことですから、過去に覚えたものにとらわれ過ぎずにダイナミックに進んでいきましょう。
そして、単語の意味は「日本語そのもの」ではなく、意味そのもの[イメージ]に集中して覚えるようにしましょう。
例えば、compromise[譲歩、妥協]という名詞。
辞書にこんな例文がありました。
Compromise can be one of man’s best friends.[妥協は最良の友である]
「うーん、ここでガマンして、まぁOkとしようか。」という「妥協(点)」。
それがベストフレンドになりうる。
イメージが強まりますね。
単語テスト満点に燃えるタイプ
企業研修などで「もう英語をやるしかない状況」になった方々に多く見られるタイプです。
かつて、1年間の英語集中研修で全単語テストで満点を継続した方もいました。
1度その方がある単語を思い出せずに苦しんでいたとき、「○○ページの上から2番目」のようにヒントを出したところ、瞬時に思い出したこともありました(笑)
満点にこだわることは、何よりモチベーションの維持になりますし、満点を継続するためには、覚え方を工夫したり、イメージ力を上げたりすることが自然にできてくるとも言えるでしょう。
その上で、このタイプの方が陥りやすいのは、「テストがないとやる気が出ない」という点です。
僕自身も中学生の頃、テストで高得点を取るためだけに勉強していたと言っても過言ではなく、そのあと高校で痛い目に遭いました(笑)
「覚えた語彙が活かされる機会」を意識したいですね。
英語を使える機会があるのが理想ですが、易しい本から多読速読をしたり、何かしらの英文を読んだり聴いたりしながら、覚えた単語と出会う工夫をしましょう。
また、「その単語本に特化した単語テストでのみ優れたパフォーマンスを見せる」という状態にもなりがちです。
例えば、「a bank account:銀行口座」と覚えた accountという単語はいろいろな使いかたをします。
Thank you for taking it into account. [考慮してくれてありがとう]
これは、「take ~ into account:~を考慮する」という熟語ですが、accountが「考慮」という意味で使われています。
先ほどの「付箋貼りまくりタイプ」の方と同様ですが、同じ単語でもいろんな使いかたがあるので、パーフェクトにこだわり過ぎない柔軟性を意識しましょう。
覚えてもすぐ忘れてしまうタイプ
「本当に覚えられたのか?」というポイントもありますが、
やはり、学生の試験対策に多く見られる短期記憶に終わらせない工夫が求められますね。
初めにも少し書きましたが、ひとつひとつ完璧に覚えてから進むのでははく、「大きく何周も回しながら、じっくりと覚えること」です。
ある英語研修クラスで京都大学出身の男性が、単語の覚え方の話をしていたときにこんなやり取りがありました。
京都大学出身Aさん: 僕は単語をひたすら見て覚えます。書きもしないし、声にも出しません。
クラスメイト: そりゃあ、あなたは頭がいいからね。見るだけで覚えられるんだよ。
Aさん: いやいや、ハンパない回数見るんですよ。
「単語は100個単位で覚えましょう。」みたいな話はよく見聞きします。
そもそも、日本語でも言葉を覚えるには何度もそれに出会って少しずつ定着していきますよね。
この本質的なことをもっと意識して、何度も見る回数(もちろん、書いたり、声に出したりも含め)を増やすことはとても大事です。
少しずつ「イメージ」が固まっていきますから。
また、覚えた単語をアウトプットすることも重要な要素です。
僕が薦めるのは、「ルー大柴的日本語のススメ」です。
日本語の中に無理矢理英単語を入れるんです。
「yesterdayにね、toughなmeetingがあってね、my bossがwrongなopinionをsayしたんで、思わず、”I don’t think so.”とsayしちゃったよ。」
こんな話し方に付き合ってくれる友人がいれば幸せですね(笑)
現実的には難しくても、呟いたり、思うだけでも違ってきます。癖になってくると、引き出しを見たときに”drawer”という単語が浮かんだりしてきますよ。
ノルマにのみ縛られて、なかなか本を開けなくなるタイプ
特に難易度が上がってくると、「よーし、頑張るぞ!」と思っても、なかなか単語が覚えられず、ノルマがこなせなくなってくる方も含みます。
英語学習も楽しくないとなかなか継続できないというポイントもありますね。
まずは、「何のために英語を学ぶのか?」を再考してみること。
そして、「自分のレベルに合った単語本であるか?」という点も大切です。
「既に知っている単語が2~3割含まれている本」がちょうど良いと僕は思っています。
そして、手のひらサイズであれば電車の中などでも開きやすいですし、単語の意味がイメージしやすい例文と音声がついているに越したことはありません。
最高の単語本を求めてさまよい続けることはお勧めしませんが、あまりにご自分のレベルと合っていないものを継続して使うことは無理が多くなります。
今一度、じっくりと単語本の選定をしてみるのが良いかも知れません。
また、無料の単語学習アプリも多く存在するようです。
紙版のものを軸に勉強して、アプリのクイズ[テスト]機能で成果を測るのもいいでしょう。
「手ごたえ=成果」を味わいたいですね。
単語本 買いっぱなしタイプ
僕が担当させていただくクラスには、「この人、全く単語本を開いていないな、、」と感じる方もいます。
目標や目的が定まったときなど、将来的に語彙学習にスイッチが入ることもあるでしょう。
また、語彙力をつけるために必ず単語本が必要というわけではありません。
冒頭でも書きましたが、僕自身は、あるときから「語彙は英文の中で身につけよう」とスタンスを決めました。
多くの英文を読み、聴くこと。そして、何より英語を使うことで語彙は増やせます。
単語本を使うことにオサラバすることもひとつの方法ですし、オリジナルの単語集を作ってゆくことも素晴らしい勉強法です。
まとめ
今回は、主に単語本を用いた語彙学習について、タイプ別にアドバイスさせていただく形で書いてみました。
単語の覚え方については、書籍、インターネット上でいろいろな方法が紹介されていますね。
のめり込める方法が見つかるかも知れません。
単語ひとつで意思のキャッチボールができることがあります。
新しい言葉を覚えることが楽しくなればしめたものですね。
最後に、古典的ではありますが、ノルマを決めて最後までやり抜く姿勢もお忘れなく!!
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