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アメリカの児童書とオーディオブックから何もかも学ぶ。オール・イン・ワン学習法

英語学習
2020.04.12

WA-SABI英語塾 曽根田 章浩(そねだ あきひろ)
1968年生まれ。静岡大学教育学部保健体育科卒。
英語専門講師としての15年以上に及ぶ指導は、私塾でのレッスンのほか、50社超の企業内研修や私立高校・大学での授業、結婚式のバイリンガル司会など多岐に渡る。
海外生活の経験は無し。長年の指導経験によるマンツーマンレッスンで『日本人の英語力UP』に日々取り組み中。

詳しいプロフィール

こんにちは。WA-SABI 英語塾曽根田です。

英語の基礎力養成のための最高の教材は?」と聞かれたら、このアメリカの児童書と答えます。

Nate the great

僕は、私塾ではもちろん、企業での英語学習セミナーでもこの作品を教材として使わせていただいています。
これ以上のマテリアルがあったら教えてください、という感じです(笑)

1972年出版のこの本は20冊以上もあるシリーズの第一作。
対象年齢は6~9歳。絵本の次のレベルで、シリーズ4作が収められたオーディオブック[朗読が吹き込まれたCD]も手に入れることができます。

ハードボイルド気取り(?)の探偵[Detective]ネイト君が、アニーちゃんの描いた絵がなくなったという事件を解決するというお話。
可愛らしい挿絵が多く、オトボケのセリフも随所に登場し、笑いのツボもかなり刺激されます。

「凄いヤツ、ネイト」と訳されるのだろうか、この Nate the Great は、洋書の多読速読[沢山、速く読む]練習をする際の「まずは、この本から始めてみよう!」といった紹介にもよく登場します。

しかし!

単に「簡単な英語で書かれていて読みやすいですよ。ぜひ。」では済まされないものが Nate the Great にはビッチリと凝縮されているのです。

何が素晴らしいか?、というと次の4点です。

・英語で物語を楽しむ体験ができる
・易しく、且つ自然な英語を学べる
・日本の高校で習うレベルまでの文法ルールの確認ができる
・教材用ではなく朗読として吹き込まれた自然な英語音声が聴ける


ところで、もう10年以上前に、ある女性の塾生がこの Nate the Great をとても気に入り、ニューヨークに旅行された際にシリーズの10冊以上を購入されてきました。
お土産でハードカバー版を僕にプレゼントしてくれたのですが、かつての塾生のどなたかに貸したまま行方不明になっています。
雰囲気がとてもいい表紙の本です、、。心当たりのある方、お返しいただければ幸いです(笑)

今回は、最高の教科書とも言える、この Nate the Great を利用した学習・トレーニングの仕方をご紹介します。

まずは、読み物としてストーリーを楽しむ

まずは、作品として存分に楽しみましょう。
名探偵になりきるネイトくんの可愛らしいストーリーそのものの魅力を味わっていただきたいと思います。

短いお話ですから、1回目は辞書を引かずに読むことをお勧めします。

会話での使える良い表現、シンプルで素敵な表現が沢山出てきます。
推理小説のトリックの要素もしっかりありますよ。

個人的に好きなポイントのひとつは、随所に明らかに読者をクスッとさせようとするセリフが出てくるところです。
この作品を読んで「英語のストーリーで初めて笑った!」という方がきっといると思いますよ。

話をするように音読する

ここからは、作品が教材になります。

「よく分からないところがあったなぁ。」という方は、辞書を引きながらより正確な理解を目指しましょう。

CD音声で発音を確認し、反復的な音読を行いましょう。

次の2点を意識して練習するとよいでしょう。

・「語順通りに、英語のイメージだけで理解すること」を目指す
・(絵本の読み聞かせのように)「話すように」読む


「マスターできたな。」と思えるまで、繰り返し練習していただきたいと思います。

Look-Up & Say

Look-Up & Say(ルック・アップ・アンド・セイ)というシンプルな練習方法があります。

これは、「英文をその場で覚え、顔を上げて[Look-Up & Say]、言う[Say]」というものです。

基本は、「1文ずつ」行います。

単純な練習ですが、やってみると意外と途中で忘れてしまい、言えなかったりしますよ。
ここでも、「話しているつもり」で行うと、英語に慣れるスピードが上がります。

文法ルールの確認をする

6歳~9歳のお子さんが対象の本ですが、日本の高校で習う文法ルールまで入っています。

学習用に書かれたストーリーではないので、口語表現など「何だこれ⁉」と感じるものがあるかも知れません。
それでも、90%以上の理解は目指した方がいいでしょう。

参考書やインターネットなどでしっかり調べて、「何となく分かるようで、分からない、、。」という箇所をスッキリとした理解にしたいですね。

最初のページに『過去完了形』、その少し先に『仮定法』の文が登場します。
簡単にご説明します。

過去完了形

I had just eaten breakfast.

動詞の部分、 had eaten が「had+過去分詞」なので、過去完了形ですね。

過去完了形は、「過去よりもっと前の過去の点→過去の点」を表すので、
ここでは、「breakfast[朝食]を食べ始めてから、食べ終わるところまで」です。

「ボクはちょうど朝食を食べ終わったところだった。」

単に、 I ate breakfast. [ボクは朝食を食べた]とか、I finished eating breakfast.[ボクは朝食を食べ終わった]というのとはニュアンスが違いますね。

仮定法

I would like Annie if I liked girls.

would, liked と過去形が使われているので、「今の『あり得ないこと』を言う仮定法」ですね。
過去の話をしているのではありません。

「もし(仮に)ボクが女の子たちのことを好きなら、アニーを好きになっちゃうだろうなぁ。」

「探偵はハードボイルドに生きる必要があるからね、女の子にうつつを抜かしてはいられないんだよ。」みたいな雰囲気が可愛いセリフです。
「アニーが好きなだけでしょ!」とツッコミをいれたくなります(笑)。

オーディオブックのCD音声を使い倒す

Nate the Greatは、「初級学習者用」として広く紹介されているようです。
ある大型書店の洋書売り場には、「TOEIC 460レベル」とも書かれていました。

確かに、「物語そのものを大体理解できるレベル」とすれば、特に依存はありません。
ただ、「英語のまま、本を読む感覚で理解しながら読めるか?」とすればハードルは上がり、「読むスピードはどうか?」や「日本語に訳しながら読んでいないか?」などの疑問が出てきます。

更に、「オーディオブックの音声だけを聴いてストーリーができるか?」とすれば、一般的にTOEIC 460レベルの方には難しいでしょう。
これまで僕が仕事をさせていただいた企業などで、「私はTOEIC 600点台ですが、この音声を聴いてもあまり理解できません。」といった声を何度も聞いています。

とても自然な朗読音声ですから、いろいろな聴き方でぜひ使い倒していただきたいなぁ、と思います。

意味を理解しながらのシャドーイング

今回のNate the Great の朗読音声は、10分程度です。

この比較的易しく自然な英語音声を利用して、ぜひ、シャドーイング[聴こえた英文を追いかけて、シャドー[影]のごとく声に出してついてゆくトレーニング]に挑戦していただきたいと思います。

最初から最後まで「意味を理解しながらのシャドーイング」ができると、英語のリスニングの基礎力の多くが備わったと言えます。

シャドーイング練習をした経験のある方は、それほど苦労せずについてゆけるところは多いかも知れません。
でも、ときどき、ククッーと速く発音されるところがあります。
慣れないうちは、音声が滑ってついてゆけなくなるはずです。そういうところは、音の変化などにも注意しながら部分練習をしっかり行いましょう。

移動時間などを利用してのリスニング練習と合わせ、シャドーイング練習を繰り返してゆくと、英語だけで物語が理解できるようになってきます。

オーディオブックには、4話が収録されています。残りの3話を音声だけで理解できればリスニング力は相当上がっているはずです。
(一般的には、TOEIC 730程度の力がないと音声だけでの理解は難しいでしょう。)

まとめ

今回は、アメリカの児童書、Nate the Great を利用しての英語学習とトレーニングについてお話しました。

同様のマテリアル(教材)を利用してももちろん構いません。

目指すところは、読むにしても聴くにしても、『英語のままの理解』です。

そのためには、次のポイントをお忘れなく!

① 文法ルールを含め、英語をしっかり理解した上で反復トレーニングを行う
② 「意味を感じながらシャドーイングができること」をゴールとする

英語の基礎づくり、ぜひ具体的に頑張ってください。

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