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「映画で英語学習」を継続する。 必要なスタンスとは?

英語学習
2020.04.09

WA-SABI英語塾 曽根田 章浩(そねだ あきひろ)
1968年生まれ。静岡大学教育学部保健体育科卒。
英語専門講師としての15年以上に及ぶ指導は、私塾でのレッスンのほか、50社超の企業内研修や私立高校・大学での授業、結婚式のバイリンガル司会など多岐に渡る。
海外生活の経験は無し。長年の指導経験によるマンツーマンレッスンで『日本人の英語力UP』に日々取り組み中。

詳しいプロフィール

映画を観るのは楽しいですね。

感動的なもの、スリリングなもの、笑えるもの、泣けるもの、、。
最近は、prime video や Netflixをはじめ各種サービスによって映画がとても手軽に楽しめるようになっています。

今回の写真は、柔らかな微笑みを浮かべる奇跡の名女優、オードリーヘップバーン。

「ローマの休日」での有名な髪切りのシーン。

プリンセスのあまりの美しさに、髪切り屋マリオは彼女を船上パーティに誘います。

MARIO(髪切り屋): Now, why you not come dancing tonight with me? [私と一緒に今夜ダンスしに行きませんか?]
(中略)Please- you come?[お願いです。行きませんか?]

愛しのオードリーは、ニコッと微笑んで、一言。

PRINCESS: I wish I could. [そうできたらいいんですけど、、]

canではなくcouldなので、「、、でも、無理なんです。」という意味が含まれていますね。(仮定法)

誘いを断る定番の表現ですが、オードリーの美貌と声が脳からも耳からも離れない一言です。

「映画を使って英語を勉強しよう!」というのはずっと前から見聞きしてきましたし、僕のレッスンでも積極的に映画のシーンを取り入れています。

映画の中のセリフ(言葉)は、活き活きとしています。
教材や資格試験の英語とは全く質が違いますね。

ただ、映画を使った英語学習には、しっかりとした「スタンス」が必要だと切に感じています。
チャレンジした経験がある方の多くに、「そうですよね~。」と頷いていただけると思いますが、甘くはないですよね(笑)

「同じ映画を、1回目は日本語字幕で、2回目は英語字幕で、そして3回目は字幕なしで、観ています!」みたいな話を何度も聞いてきましたが、その人たちから、「字幕なしで映画が楽しめるようになりましたよ!」とは聞いたことがありません(笑)

逆の例ですが、15年以上前に、とある英会話クラブでご一緒した女性からこんな話を聞いたことがあります。

「私は海外生活の経験は全くありませんが、映画の英語はよほど偏った内容(医療モノ、法廷モノなど)でなければ大体理解できます。
『どういう風に英語を勉強したの?』って友人に聞かれるけど、私がやってきた猛勉強やトレーニングをするのは無理だろうから答えるのに困るんです。
毎日のシャドーイングは当たり前で、電車の中でもモゴモゴつぶやいてよく周りの人に注意されました(笑)。
必死に勉強した期間は5年くらいでしょうか。」

この話は今でも鮮明に覚えていますし、その方の英語は滑らかで素晴らしいものでした。

このエピソードが、映画を使った英語学習についてかなりのことを教えてくれていると思うのです。

今回は、映画を使った英語学習を継続するための「スタンスの取り方」について書かせていただきます。

トレーニングとして、何を、どこまで行うか?

「映画を使って、楽しみながら英語を学ぼう!」という勢いだけでは、ほぼ長続きはしないものです。
「何を、どこまで行うのか?」というスタンスをしっかり持つことをお勧めします。

お気に入りのセリフ集をつくる。

映画のスクリプトを読んでも、「歯が立たない、、」と感じる人に特にお勧めです。

映画の英語で「学習する」、「トレーニングする」というスタンスの前段階です。
他の教材で基礎力を身につけながら、楽しみながら「ステキなセリフ探し」をするという意識で映画を利用するのがいいと思います。

まずは、「学習」という意識を持たずに純粋に映画を楽しみながら観ましょう。

そのあとで、英語字幕を出しながら、「あっ、この英語分かる!」とか、「今のセリフ、いい!」と思ったものをノートに書きためていきます。

「短くて、分かりやすいセリフ」をお勧めします。
それを何度もつぶやいて覚えてゆくと、同じ表現に出会ったときに気が付くかも知れません。
実際の会話でも使えるチャンスはきっとあると思います。

2~3分のシーンを切り取って、反復的に利用する。

本気モードでのトレーニングを始める方にお勧めします。

一つの映画につき何シーンでもいいでしょう。

まずは純粋に映画として楽しんだあと、

スクリプトをしっかり読み込みましょう。
単語、文法、できる限りの理解を心がけましょう。

そして、音読がスラスラできるようにします。

次に(並行して、でもOKです)、英語字幕を出しながらのシャドーイングを繰り返しましょう。

そして、字幕なしでのシャドーイングを行います。

更にセリフを暗記して、登場人物になり切ってのシャドーイングや音読をしたいですね。

セリフのスピードについて行けず、苦労するのが一般的です。
映画の理解も、口語特有の言い回しなど、スッキリしないところがあるでしょう。

そこで止めてしまうか、やり切るか。

ここが最大のポイントだと思います。

1本の映画で何もかも学ぶ。

昔、韓国の著者が「英語学習は、映画1本を極めろ。それだけでいい。」みたいな本を出してバカ売れしていたのを覚えています。

僕もその通りだと思います。
ただ、それはあまりに極端で無茶の多い考え方でしょう。

やはり、○○メソッド的なアプローチは危険、、と言うか、そういうのはないですよね(笑)

具体的には、1本の映画から2~3分のシーンを10シーン程度切り取って、前述した内容を徹底的に行うことを勧めます。

もはや「業」のようにもなりますが、大変でも達成感や成長感が得られるはずです。

初めて観る映画、ドラマ、その他の動画などで、トレーニングの成果が実感できれば遣り甲斐も倍増します。

どの映画を選ぶか?

インターネットを始め、「英語学習にお勧めの映画」は広く紹介されていますね。
ここでは、レッスンを含め僕自身が利用してきた映画の中から、厳選7本をご紹介します。

全体的には、「古い映画」の方が話すスピードが比較的ゆっくりなものが多いです。比較的易しい英語が使われているもの、そして何より、ご自分が好きな映画を選ぶべきでしょう。

ファミリー向け

子どもから大人までを対象に作られていますので、比較的易しい英語が使われています。

・Back to the future(バックトゥザフーチャー)

1985年、SF映画の大ヒット作品。Part 2, 3と言わずもがなの大ヒットシリーズとなりました。今観ても、とにかく面白い映画です。
多くの方が学習用に薦めていますね。

・Night Museum(ナイトミュージアム)

2006年公開、こちらもシリーズで3本あります。まさにファミリー用で、比較的易しめの英語が使われています。CGを駆使した映像も楽しみながら英語の練習ができます。

ラブコメディ、恋愛映画

古めのものをお勧めします。
ジャンル的に僕自身があまり好みではないこともありますが、若者のオシャレな表現やスラングが多いものはトレーニング向きではないと思います。

・You’ve Got Mail(ユーガットメイル)

この作品はこれまでのレッスンでかなり使ってきました。
日常英語が詰まっています。
1998年公開、ラブコメのハシリ、心温まる恋愛ドラマと言ってもいいでしょう。ニューヨークの雰囲気がたっぷり味わえますし、トム・ハンクスとメグ・ライアンが最高にステキです。

・ローマの休日

冒頭でも少し紹介しました。1953年、オードリーヘップバーンの代表作です。
市販の書籍、その他でもこの映画を使っての英語学習が薦められていますね。
「以外とセリフは難しいぞ、、。」と思うことは多いですが、名作は間違いないですし、オードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックの素晴らしい演技も味わいながら、英語と格闘して損なしだと思います。

その他の名作

「比較的易しい英語」にこだわると、この3本です。

・12 Angry Men(12人の怒れる男)

1957年のモノクロ映画です。何しろ「一つの部屋で12人の男たちが話しているだけ。」とも言える映画で、セリフが多いです(笑)
感情的にまくしたてるようなセリフも少なくありませんが、良い表現が沢山あります。

・In Her Shoes(インハーシューズ)

2005年、キャメロン・ディアス、トニ・コレット主演。
対照的な2人の姉妹を描くハートフル・ヒューマン・ストーリー。
心温まる、とっても良い映画です。
ステキな表現も満載ですよ。

・The Bucket List(最高の人生の見つけ方)

2007年の作品。余命6ヶ月を宣告された二人の男が、死ぬ前にやり残したことを実現するため一緒に冒険に出るという、ハートフル・ストーリー。
名優、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが初共演した人間ドラマは、英語との格闘にうってつけです。

使うためのフレーズづくり

トレーニングは主にリスニング力強化のためでいいでしょう。
英語のコミュニケーションでは、最終的にはリスニングが一番大変だと感じることは多いからです。

その上で、「使うためのフレーズづくり」を意識してトレーニングすることも楽しみのひとつとなり、継続に繋がります。

そこで意識したいことは、次の3つです。

・短くてシンプルなセリフ
・心に残る最高のセリフ
・大好きな俳優のセリフ


次の機会には、映画の中の活き活きとしたセリフでまた何か書きたいと思います。

僕自身も映画の英語でセルフトレーニングを続けています。

腰を据えて、具体的な練習を続けましょう!

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